ナチュログ管理画面 キャンプ キャンプ 関東 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2006年04月23日

分別盛り

ようやく、「徳川家光」 を読み終わった。最近は他に読みたい雑誌等が多くて、なかなか前に進まず、全四巻なのに 1ヶ月以上の時間を要してしまった。

実のところ、あまり面白くなかったのも、時間がかかった原因の一つである。これまでに読んだ、同じ山岡荘八の 「織田信長」 や 「伊達正宗」 と異なり、なんか話が散漫な感じがして、グッとのめり込むことが出来なかったのだ。

そんな 「徳川家光」 であるが、印象に残る一幕があった。以下の、徳川頼宣 (紀州藩主) と徳川頼房 (水戸藩主) が将軍家光について語り合うくだりである。僕 (30代後半) と同じライフステージにいる人ならば、自分の身辺に、思い当たるというか、考えさせられることが二つ三つあると思う。

「フーム。やはりのう ・ ・ ・ 」
「暇が出せぬとすれば、尾張どのに掛合いまするか。尾張家から千代姫さまの縁談など、不自然きわまることゆえお断り申すと」
「水戸どの ・ ・ ・ 」
「何でござりまする」
「相変わらず、お身の決断は明々快々、一点の非の打ちどころもない ・ ・ ・ のが、欠点でござるかの」
「なるほど。それがしにも自信過剰の節がある ・ ・ ・ と、こう仰せられるのでござりまするな」
「そのとおり。自信などというものは、迷いに比べると、単純なものでござるよ」
「なるほど。紀州さまは、明快よりも迷いの価値をお認めなさりまするか」
「いかにも。それがしは、つねに上様のご気性と、春日の局の気性とをハカリにかけます。春日の局がお側におらなんだら、上様も、慶光院よりは、阿楽のほうがよいなどとは仰せられまい。この辺りが微妙な人情の機微でござっての。ハッキリと、慶光院など好きではないと仰せられよう」
「それがしは、一刀両断、そうハッキリ仰せられたほうが解決は早いかと思うが」
「ところが、上様は、局の言うことは無下に断われぬとご思案なさる。いや、迷っておわすと言ってよい。上様が迷っておわすゆえ、とにかく、事はおだやかにすんでゆく。これが迷わずに決断なされたら、さしずめ水戸どのとも、ガンガンぶつかり合う。ぶつかり合ってしまうと納まるものも納まらぬ。上様に、せっかく迷うお心が出たのを、非難ばかりしてよいもの、とも決めかねる」
「フーム」
「いかがでござろう? 上様が迷うほどにご成長なされたものとして ・ ・ ・ いや、ご成長遊ばされたゆえに迷うものとして、ここでは一時も早く、上様をこの問題から解き放して差し上げたらそれが、まことの輔弼(ほひつ)と思うがいかがであろう?」
 すると水戸頼房は、生まじめな表情で口をつぐんだ。



〔2006/04/23〕






削除
分別盛り